歩きスマフォの事故に関する声明

日本盲人会連合 関東ブロック協議会より、先般の歩きスマフォの事故に関して、次のとおり、声明が出されましたのでお伝えします。

歩きスマフォの事故に関する声明

新聞によれば、東京都八王子市の京王八王子駅前の路上で7月3日朝、点字ブロックの上を歩いていた全盲の男性が通行人と正面からぶつかり、折り畳み式の杖のつなぎ目部分などが壊れた事故が発生した。

つえを拾おうとかがんだところ、男の声で「目が見えねえのに、一人で歩いてんじゃねえよ」と暴言を浴びせ、男性の足を蹴って立ち去ったと言う。 ぶつかった時にスマフォを落としたような音がしたことから、相手は、歩きスマフォをしていたと考えられる。通行人によれば、ぶつかった相手は「20~30代のサラリーマン風の男」だったとのこと。

視覚障害者の大半は全盲、弱視(ロービジョン)を問わず、点字ブロックを頼りに歩いていることは、大半の人が理解しているものだと考えていた。しかし、一般の人の中には、点字ブロックはスマフォの画面を見ながらまっすぐ歩くのに便利と考えられている話も聞く。点字ブロックは日本で開発され世界に広まっているが、この点字ブロックの意味を理解していない人もいるという事になる。

この事故で問題なのは、人権侵害に当たるという事、器物破損があったという事。更には歩道ではあるが交通事故であることの3点が考えられる。 現在の社会は、環境が障害を生むと言われている。この社会モデルの考えに立てば今回の事件こそ、まさに一人一人のモラルと、環境が視覚障害者の安全な外出を妨げているといわざるを得ない! 今では、交通機関においても「声掛け運動」や「歩きスマフォの禁止」を広く求めているときでもある。

警察は防犯カメラなどの解析により犯人を特定し、身柄を確保する必要がある。このことで社会に対する視覚障害者の外出環境の安全を確保することにつながる。警察は、音響信号機やエスコートゾーンだけでなく、安全な外出・歩行を確保する意味でも、歩きスマフォの禁止を社会に広める責務を果たしてほしいものだ。

令和元年7月7日
日本盲人会連合 関東ブロック協議会

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